1 退職金、どうしましょう?
退職金というまとまった金額のお金を受け取った時、それをどのように使うか迷ってしまう方は少なくありません。
私自身、前職場である大学病院を退職して、それなりにまとまった金額の退職金を受け取ることになったのですが、嬉しい反面、どのように使うのが正解か非常に迷いました!
これは退職金に限った話ではなく、まとまった金額のお金の使い道は、ある意味永遠のテーマでもありますよね。
まさにウェルビーイングの向上に直結する重大なテーマでもあります!
一般的に退職金は、老後の生活資金として貯蓄されることが多いと思われます。
その他にも、退職記念の旅行、家のリフォームの資金として使われたり、退職金を元手に新たなビジネスを始めたりする方もいることでしょう。
私の場合は、転職先もすぐに見つかり、まだまだ働ける年齢だったので、退職金が老後の生活資金という意識はあまりなく、これまで一生懸命働いたご褒美としてとらえることができました!
とはいえ、年金財政も厳しい昨今、年金の支給開始年齢の更なる引上げが検討されている、などとも言われています。
年金だけで老後の生活ができるのだろうかという不安もある中で、好き放題に浪費するわけにもいきません。
2019年には、金融庁の「市場ワーキング・グループ」という金融審議会が公表した報告書をきっかけとして「老後2000万円問題」が話題になったのは、まだ記憶にも新しいところです。
また、ライフステージによっては、退職後にもたんまり住宅ローンが残っていたり、子供の教育費はここからが正念場というご家庭もあるでしょう。
さらに、近年では値上げラッシュやインフレ対策も急務となっています。物価上昇率に合わせた資産運用を実践しておけば、現金の価値の目減りを防げそうです。
ネットで検索すれば、退職金の使い道やまとまったお金の資産運用方法についての情報はあふれ返っています。
代表的なものは次のとおりです。それぞれの具体的な説明については、金融機関や証券会社等のサイト等に譲ります。
新NISAの開始で空前の投資ブームが到来し、
「まとまった資産を眠らせておくのはもったいない!運用一択!!」
といった機運ですよね。ちょっと焦ります。
資産運用という夢のある話に飛びつく前に、まずは、まとまった資産の間違った使い方について、退職金に特化した上で私なりに検討してみました。
2 退職金をこんなふうに使うのは間違ってる…?
せっかく受け取った大切な退職金。こんなふうに使うのはどうでしょうか・・・。
2-1 生活費としてそのまま使い続ける
退職後収入がない場合は仕方ないのですが、それまでの給与振込口座と同じ口座に振り込まれた退職金を、生活費と何ら区別することなく消費していくケースは多いことでしょう。
何の計画もなく、気が付いたら残高がなかった、などどいう結末はあまりにも悲しすぎますよね…
重要なのは、自らのライフプランをきちんと立て、必要な資金などをしっかりと把握したうえで、使い道を決めることだと思います。
2-2 ご褒美として高額な買い物をする
一番やってはいけないのが「無駄な浪費」です。
会社勤めの時は海外に行く機会がなかったので、思い切って旅行したいと思うこともあるかもしれません。
また、新しい趣味を見つけて、そのために高い買い物をしたくなることもあるでしょう。
一時的にまとまった金額のお金が入ってくるので、少々贅沢したくなる気持ちはわかります。
決して悪いことだとは言いません!
しかし、一時的な感情で行動すると、その後のライフプランにおいて、あなたが行動するためのお金が足りないということにもなりかねないのではないでしょうか。
2-3 銀行に預ける???
退職金などのまとまった金額のお金の代表的な預け先として、銀行の預金が挙げられます。
運用一択!の近年の機運からすると、銀行預金が悪いことのような情報をよく目にします。
銀行預金のデメリットは、一般的な資産運用に比べると利回りが低いことです。
今日の銀行の金利では、大金を預けていても、わずかな利息しかつかない場合もあります。資金を増やすことを考えるならば、たしかに銀行預金は間違った選択と言えるでしょう。
一方で、銀行預金はその銀行が破綻しない限り、元本が安全に守られています。株式投資のような資産運用とは異なり、元本割れのリスクを考える必要がほとんどありません。
仮に、預け先の銀行が破綻しても預金保険制度によって1,000万円までの元本と利息が保証されているのは銀行預金の大きなメリットです。
さらに、考えようによっては、無駄づかいを避け安全に預ける手段ともいえます。
さて、上記でも少し触れたように、利回りを求めるのであれば、株式などに投資するという選択肢があります。
新NISA開始によって、資産運用に関心をもつ人が増えてきたとはいえ、
「投資はよくわからない」「なんとなくこわい」
という人も多いのではないでしょうか。
そんな私も、資産運用に大きな関心を持っています!
ここからは、投資初心者として私が考えた資産運用の心構えを一緒に見ていきましょう!
3 資産運用初心者が持つべき3つの心構え
まとまった資金が手に入ると、舞い上がって自分が何者かになったような気分になり、突然投資を始める方がいます。
それまでに資産運用経験があるのでもない限り、冷静さを失って資産運用を行えば、相当強運の持ち主でもない限り失敗は目に見えているのです!
心構え1:長期目線を持ちましょう
焦りは禁物です!
短期間に大きく資産を増やそうと、ハイリスク商品に一括投資するようなことがあれば、逆に損失リスクが大きく高まります。
一度負った損失を回復するのはさらに長い時間が必要になります。
投資は、長期目線を持つことが大事と考えましょう。
もし短期間でお金を増やしたいのであれば、短時間でも働けば良いのですから。
心構え2:商品の仕組みやリスクを十分に理解しましょう
金融機関や保険会社に退職金運用の相談をすると、運用プランや年金保険などを勧められます。
お金を増やすために資産運用をするわけですが、金融機関も保険会社も商売をしています。
投資にはリスクが伴うということを認識する必要があります。
単純にリスクの低い投資商品を選択すれば、ある程度リスクを減らすことは可能になります。
得られるリターンに注目するだけではなく、それに見合うリスクなのか、そのリスクは自身が許容できるのかという視点が大切です。
自分に合う商品ならよいのですが、リスクや手数料が高い場合もあります。
また、商品購入前に商品の仕組みやリスクを十分に理解しましょう。
よく分からなければ、安易に購入しないことです。
心構え3:謙虚に勉強しましょう
大金が手に入ると気が大きくなる人、社会的地位が高く自信満々の人は、投資に失敗しやすいと言われています。
仕事のスキルと投資スキルは全く関係性がないのではないでしょうか。
何においてもそうですが、特に未経験者が自己流で投資をすると、事故が起きやすくなります。
謙虚な姿勢でイチから学んでいく姿勢が大切だと思います。
4 まとめ:意見と提案
退職金の使い道やまとまった資産の運用方法に正解はないと思っています。
高齢社会を迎え、定年退職後も元気に働く方も増えてきています。それまで仕事一筋で、定年退職後に何をしたらいいのか分からないという方も少なくありません。
健康に問題がないうちは、退職金をあてにして切り崩して生活するのではなく、働いて収入を得るほうが良いのかもしれません。働くことによって精神的にも肉体的にも充実することもあるでしょう。
また、パートナーがいる場合、退職金を受け取る前に、将来の生活について話し合い、しっかりとした資産管理を行うのが理想ですよね。
余裕資金があれば資産運用も検討しましょう
退職金を受け取った後、ほとんどの方がまずは銀行に預金することになると思います。
前述したように、この低金利時代において銀行にお金を預けることは、比較的安全に資産を保有することができる一方、大きく増えるということはありません。
また、生活資金と区別することなく、貯蓄を切り崩して生活するというのは、とても不安になるものです。
そこで、資産運用をすることによって、今ある資産を増やすことを考えることになるわけです。
今まで資産運用を行ったことがない方は、資産運用のアドバイスを行う専門家やFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談してみるのもひとつですね。
退職金のようなまとまった資金が手に入ることは、人生においてなかなかあることではないので、資産運用をするチャンスでもあります。
お金を増やすことができれば、精神的に余裕ができますし、安定した生活によってウェルビーイングの向上が実現できることでしょう!
以下の記事で、私のブログの根本的な考え方である「ウェルビーイング」についても解説していますので、ぜひあわせてお読みください。