クリニックの場合、よほど大きい組織でもなければ、院長が直接採用面接を行うのが一般的です。
そのため、それぞれの院長が重視している信念などは別にして、比較的面接対策は立てやすいのです。
そこで、今回の記事では、大学病院を退職してクリニックに転職した私の経験から、次の2点についてまとめました!
働き方を見直して、クリニックへの転職を検討している看護師の方は必見です!
それではさっそく見ていきましょう!
1 クリニック面接で必ず聞かれること
1-1 「当クリニックで働きたい理由は何ですか?」
クリニックの面接では、看護師としての熱い信念や理想を語る必要はありません。
志が高すぎると「うちのクリニックでは物足りず、すぐに辞めてしまうかもしれない」と院長が心配になってしまいます。
クリニックで働きたい理由から、双方が希望する勤務時間の話に発展する場合が多いため、この点も十分意識して端的に志望理由を伝えるようにしましょう。
志のわりに勤務時間の制限が多かったりすると、院長にあらぬ疑念を持たれてしまうかもしれません。
また、事前に、そのクリニックの「専門分野」をリサーチしておくことも大切です。自分のキャリアややってみたい分野を踏まえて志望理由が言えればなお良いでしょう。
1-2 「前職の退職理由は何ですか?」
医者に嫌なヤツがいました!
師長がもっと嫌なヤツでした!
とんでもないブラック病院でした!
…やめましょう。
クリニック面接においては、前職の職場を悪く言わないことが鉄則です。
クリニックは地域と密接なかかわりがあります。スタッフ一人の評判がネットで拡散され、今後のクリニックの評判や経営に大きく影響することさえあります。
せっかく採用したあなたがすぐに辞め、同じような悪評をたれ流すのではないかと疑われてしまいます。
また、採用を決める院長は、採用人事の専門家ではありません。キャリアやスキルも重要視しますが、一緒に働きたいと思える前向きな人を採用するはずです。
そのため、「家庭の事情で」「体力的に夜勤が厳しくなってきた」「他の分野を経験してみたかった」など、率直かつ差しさわりのない理由にとどめておきましょう。
1-3 「人間関係うまくやれますか?」
クリニックはとにかく少人数です。
ベテランと新人、看護師とそれ以外がうまく連携し働きやすい雰囲気を作っていく必要があります。大きな組織のように、人間関係が破綻した部分を人事異動で簡単に手当てすることはできません。
ストレートに「人間関係うまくやれますか?」とは聞かれないでしょうが、同趣旨の質問は必ずされます。
やれませんと答えれば採用はないでしょう。
面接において人間関係に関する質問や会話があった場合、ネガティブな発言は避け、どれだけ対人関係に強いか全力でアピールしましょう。
1-4 「看護師以外の雑務もできますか?」
クリニックで働く看護師は、院長の介助だけでなく、採血・点滴・注射の対応などの看護業務のほか、物品の管理・発注、さらには院内の清掃など、看護業務以外の仕事を行う場合があります。
斜に構えても避けては通れませんので、雑務もしっかりこなしていく意志を必ず伝えましょう。
また示された看護業務の中で、経験が浅くて心配なものも事前に伝えておきましょう。
2 逆に面接でこちらから確認すべきこと
面接後、大きな病院組織ならば、人事部門の複雑な内部決裁を経て、何日も経ってから合否の連絡が来ることになりますが、クリニックの場合、院長が採用と決めれば、早ければ当日中に入職までの話が進む場合があります。
こちらから採用を求めて面接を実施してもらったわけですが、実際、クリニックや院長の雰囲気、具体的な業務を聞いて、再検討したいと思うこともあるはずです。
あまりにとんとん拍子に話が進みすぎて、もはやあと戻りできないスピード感を出してくる場合があるのです。
入職してからこんなはずではなかったとならないよう、私のクリニックへの転職経験を踏まえ、面接時にこちらから確認しておくべきことを解説します。
2-1 勤務時間や勤務形態は詳細に確認しましょう
クリニックの面接において、希望する勤務形態や勤務可能時間は、雇用契約に大きくかかわるため、労使双方の中心的な確認事項です。
クリニックは数名の常勤者と数名の非常勤・パートで成り立っています。ひとりひとりの業務割合の比重が大きいです。
そのため、勤務形態や勤務可能時間について、しっかりとクリニック側の要望を確認し、自分の希望をすり合わせることが必要です。
また、シフト制を組んでいるクリニックの場合、シフトに入れない曜日がある場合は必ず伝えておくことが大切です。
面接が決まった後で「その曜日は入ることができない」と断ると、「言っていることが違う」と院長・スタッフに悪い印象を持たれやすいため注意してください。
また、ママ看護師の場合は、お子さんの急な発熱などにより、急遽休まなければならない時が必ずくるものです。突然の休みをもらうような場合がありうることもしっかりと伝えておきましょう。
ここで重要な要素となるのが、クリニックに在籍している看護師の数です。
2-2 看護師の数を確認しましょう(必須!)
実際の私の経験をお話しします。
初めての転職で私も無知だったのですが、クリニックでも看護師が数名は在籍していると思っていたのです。
クリニックって、皆さん白衣を着ているので、どの人が看護師でどの人がそうでないのかよくわからないですよね。
入職したクリニックは、看護師1名体制でいいという院長の考えで成り立っているクリニックでした。
…ハッキリ言って、休みにくい!
子供たちが風邪を引いたら気合で直してもらい、どうしても休ませるときは、夫に調整してもらったり、実家の助力をもらっています。
職場の人間関係はどうですかとか、嫌な人はいますかなどすごく気にはなりますが、面接の場で聞くことではないですし、そんなことはどこの職場でも一緒です。
とにかく在籍する看護師の数を確認しておくことをおすすめします!
2-3 待遇面、特に社会保険加入を確認しましょう
給与やボーナス、社会保険に関しては、その病院特有の待遇であった場合も多く、大きな病院から転職したクリニック看護師がもっともギャップを感じやすい部分です。
そのため、面接時点において、給与金額と振込日、交通費支給のルールについて、書面で確認することが大切です。
特に社会保険の加入は超重要です。
ここでも私の経験からお話しするのですが、面接時には社会保険に加入できるという話だったのに、院長が改めて顧問税理士に確認したところ、勤務時間からするとギリギリ加入できないということが、採用決定後に伝えられました。
クリニックの社会保険に加入しないことのわずらわしさがイマイチ実感できていなかった私は、そのまま話を進めてもらいました。
主に私の勤務時間の問題ではありますが、一呼吸置いて検討してもよかったかなとも思っています。
以下の記事で、パート看護師の社会保険についてまとめていますので、詳しく知りたい方は、ぜひあわせてお読みください。
入職を決定する場合は雇用契約書または労働条件通知書を必ずもらい、面接時に確認した条件の記載があるか確認しましょう。
記載がない場合はトラブルになる可能性があるため、速やかに確認しましょう。
3 まとめ:意見と提案
今回の記事では、クリニックの採用面接で聞かれやすい質問と逆に聞くべき確認項目を、私の経験を踏まえて解説しました。
それぞれの項目について答えを準備しておくなんてことは、誰でもやることだと思います。
ネットを検索すれば回答のひな型まで用意されていますが、ポイントをとらえて自分の言葉で準備しておくことが大切ですよね。
求人でいいなと思った職場があっても、話を聞いてみると自分自身の希望とはズレがあるかもしれません。
転職の理由や目的、譲れない条件を明確にしておきましょう。
そうすれば、本当に自分に合った職場が探せると思います。
以下の記事で、看護師の転職成功に向けた準備について詳しくまとめていますので、ぜひあわせてお読みください。
皆さんの希望どおりの働き方が見つかるよう祈っています。