退職金は、職場を離れた後の生活を支える大切な資金です。
そりゃあ、できるだけ多くもらいたいと考えるのが当然ですよね。
しかし、近年、退職金の金額は減少傾向!
厚生労働省は、5年に1度、退職金について調査を行っていて、2023年はこの調査が行われる年でした。
これによれば、大卒で勤続35年以上の定年退職者1人に対する平均退職給付額は、次のとおりです。
- 前回調査(5年前)2,173万円
- 今回調査2,037万円
もっと前の調査も見てみると明らかな減少傾向が見てとれます。
そもそも、退職金は必ずもらえるとも限りません。企業は法律上、退職金を支払う義務はないからです。
前提として、今働いている職場で退職金が支給されるのか、退職前に慌てることのないように就業規則などをしっかり確認しておく必要がありますね。
以下の記事で、看護師の退職金について、勤続年数や職場別の支給相場とともに解説していますので、詳しく知りたい方はぜひあわせてお読みください。
実は、自身の努力や行動次第で退職金を増やすこともできるのです!
そこで今回の記事では、運用とかそういう話じゃなく、看護師が退職金の手取りを増やす方法を解説します。
30代、40代の比較的若いうちに、来るべき日に備えて、今からしっかり対策しておきたいという看護師の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは順番に見ていきましょう!
1 まずはしっかり働く!これが退職金アップの近道
まず、根本的な方法として長期勤続があります。
長く働いた人には基本的に多くの退職金が支給されます。
私自身の場合のように勤続20年ちょっとで退職するより、60歳まで働いて定年退職したほうが退職金は多くなるのは当然ですよね。
これは単純な勤続年数以上に退職金は増額されます。短期離職者には一定のペナルティがつくことも多いため、2倍長く働けば受取額は2倍以上になることがあるのです。
近年は、勤続年数のほかに、能力、役職、実績などをポイント化して退職金に反映する「ポイント制」を採用している会社も増えているそうです。
勤めている医療機関が、このポイント制を採っているか否かは置いておくとしても、今の世の中では、在職中に活躍し、実績を残すことが退職金増額の近道と言えるのは間違いなさそうです。
以下では、さらに深掘りして看護師の退職金の増やし方を見ていきましょう。
1-1 資格を取得する
医療機関において、功績ベースで退職金を算出している場合、資格の取得が有利に作用することがあります。
例えば、認定看護師や専門看護師といった資格を取得して働くことで、高度なスキルを活かした業務を任され、高い評価を得やすくなります。
さらに、助産師資格や保健師資格を取得することで、基本給が上がり、退職金の増加につながることもあります。
1-2 役職に就く
一般的に、役職に就くことで基本給がアップする傾向にあるので、これも退職金のアップに繋がります。
具体的には、組織によっても異なりますが、看護主任、看護師長、看護部長などの役職を目指すことになるでしょう。
特に、「基本給ベース」や「功績ベース」の計算方法で退職金を算出している場合、役職に就いて基本給が上がることで退職金も増えます。
1-3 国立病院や公立病院などに勤める
国立病院や公立病院など大規模な医療機関に公務員として勤めることで、高い水準の退職金をもらうことができます。
民間病院の倍近い退職金が支給されることもあるので、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
国立病院や公立病院以外では、大規模医療機関や大学附属病院でも2,000万円ほどの退職金が支給される場合があるので、規模や経営状況を確認した上で魅力的な職場への入職を目指しましょう。
2 iDeCo(イデコ)を活用する
職場から支給される退職金の他にも、iDeCo(イデコ)を活用することで自分で退職金を用意することができます。
iDeCo(イデコ)は毎月自分で決めた金額(上限あり)を拠出して自ら運用する仕組みとなっていますが、拠出金の全額が小規模共済等掛金控除の対象となります。
つまり、「節税しながら老後の生活資金を作ることができる」魅力的な制度なのです。
また、通常あれば資産運用で得られた利益に対して課税されますが、iDeCo(イデコ)の運用益は非課税です。
恵まれた税制優遇を受けながら老後資金を作ることができるので、退職金制度とあわせて上手に活用しましょう。
以下の記事で、iDeCo(イデコ)のデメリットに焦点を当てつつ、向いている人・向いていない人についても解説していますので、ぜひあわせてお読みください。
3 まとめ:意見と提案
看護師がもらえる退職金は、勤務先の医療機関の規模や勤務年数などによって変わります。
一般的に、国立病院や政令指定都市にある公立病院に勤める場合、退職金の支給額が高い傾向にあります。
退職金を増やしたい看護師は、まず、プラスの資格を取得したり管理職への昇進を目指したりしてみるといいでしょう。
とはいえ、順調に実績を残し、昇進できる人ばかりではないのが現実です。
その上、ライフステージの変化に合わせて、1つの医療機関に長く勤められなくなる場合も少なくありません。
今の勤務先で退職金の増額が見込めない場合は、看護師として別の医療機関への転職も視野に入れてみてください。
また、企業の退職金制度が変化している今、iDeCo(イデコ)などの節税しながら将来のための資産形成ができる公的制度を賢く活用して、自分で将来の年金を作るという視点も大切です。
今回の記事を参考に、もう一度将来のために今からできる行動を見つめ直し、皆さんがファイナンシャルウェルビーイングを手に入れてくれることを願っています。