突然ですが、みなさんは「ウェルビーイング」という言葉をご存じですか?
最近よく耳にするようになった「ウェルビーイング」。
人生100年時代を生きる私たちや社会にとって重要なキーワードになっています。
では、具体的にどのような状態を意味するのでしょうか?
そして、どうすれば実現できるのでしょうか?
この記事では、私のブログの根本的な考え方でもある「ウェルビーイング」について、みなさんに知っていただき、また、一緒に考えていきたいと思います。
ぜひ最後までおつきあいください!
1 ウェルビーイング(Well-being)とは?
そもそも「ウェルビーイング」とは何かについて見ていきましょう。
「ウェルビーイング(Well-being)」は、「良い(Well)」と「状態(Being)」からできた言葉です。
身体的、精神的に健康な状態であるだけでなく、社会的、経済的に良好で満たされている状態にあることを意味する概念です。
1946年、世界保健機関(WHO)憲章の、「健康とは何か」を説明する前文にウェルビーイングという言葉が使われました。このことをきっかけに、言葉としてのウェルビーイングが世界に広まります。
“健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます”
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”
引用:公益社団法人日本WHO協会「世界保健機関(WHO)憲章とは」
さらに歴史をさかのぼれば、古代ギリシアの哲学者ソクラテスにたどりつきます。
彼は、「無知の知」の名言で有名ですが、
という名言も残していて、この精神の追求が、現代人にもウェルビーイングとして受け継がれています。
2 高齢社会日本におけるウェルビーイングの考え方
2-1 高齢社会日本の今後
日本の高齢化について、内閣府作成の令和5年度版高齢社会白書によれば、次のように予測されています。
内閣府 令和5年度版高齢社会白書参考:
労働力の確保と財政維持という観点から、このこと自体が非常に深刻な状況ですよね…。
では、高齢社会となった日本では、ウェルビーイングはどのようにとらえられているのでしょうか。
2-2 日本におけるウェルビーイング
日本政府(厚生労働省)は、ウェルビーイングを次のように定義しています。
“「ウェル・ビーイング」とは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念”
引用:厚生労働省「雇用政策研究会報告書概要(案)」
WHOと日本、それぞれ表現は異なりますが、いずれもウェルビーイングを身体的、精神的、社会的に満たされた良好な状態として定義しています。
高齢社会となった日本においては、
ことも踏まえると、どのように生きるかということに加え、どのように長く生きるかも非常に重要な課題となってきますよね。
では、「ウェルビーイングな状態」とはどのような状態を指すのでしょうか?
3 ウェルビーイングの指標
そもそも、ウェルビーイングな状態とは具体的にどのような状態なのでしょうか?
ウェルビーイングの指標は、国内外でさまざまな研究が行われています。代表的なものは次の2つです。
具体的な内容を簡単に見てみましょう。
①ギャラップ社によるウェルビーイングの5つの要素
世界規模で調査やコンサルティングを実施したり、毎年発表される世界幸福度調査にデータを提供しているアメリカのギャラップ社は、ウェルビーイングとは何かについて5つの要素を提示しています。
- キャリアウェルビーイング
仕事を心から楽しみ、夢中になれるかどうか
仕事に意味を見出し、自己実現につながっているか - ソーシャルウェルビーイング
家族や友人、社会における他者と質の高い関係が築けているか - ファイナンシャルウェルビーイング
経済的に安定して生活できているか - フィジカルウェルビーイング
適度な運動、適切な栄養摂取、十分な休息により身体的健康が保たれているか - コミュニティーウェルビーイング
安全な環境で生活し、地域社会に貢献して満足感を得られているか
②「PERMA」理論によるウェルビーイングの5つの要素
アメリカの心理学者マーティン・セリグマン博士らは、ウェルビーイングでいられるためのモデル「PERMA(パーマ)」理論を提唱しています。
- ポジティブな感情(Positive Emotion)
うれしい、おもしろい、楽しいなどのポジティブな感情を持つ - 何かへの没頭(Engagement)
時間を忘れて何かに没頭する、夢中になる - 人との関係性(Relationship)
人とのつながりを持つ - 生きる意味(Meaning)
社会に対して自分のできることは何かを自覚する - 達成(Accomplishment)
何かを達成したり、成し遂げるために努力する
4 自分らしいウェルビーイングを探そう
紹介した2つの指標は、概念的なものですし、ある意味抽象的でもあります。
また、主に企業が、従業員のウェルビーイング向上を図るための方策を検討する際に使用する指標でもあります。
ウェルビーイングな状態は一人ひとり異なります。誰もが常にウェルビーイングな状態でいられるわけではないかもしれません。
指標などを参考に、いろいろな意見を取り入れたりしながら、自分に合う方法を探していくことが大切ですね。
ウェルビーイングについての考えを話し合ったり、シェアしたり。ちょっとしたことから始めて、自分らしいウェルビーイングな状態を確立していきたいですね。
5 まとめ:残された人生の時間と看護師の私にできること
5-1 残された人生の時間は、意外と少ない…
さてさて。
お話は少し変わりますが、人生の時間は貴重です。
人生の時間は、人が生きていく中で平等に与えられていますが、何に重きを置くかによって過ぎ方は大きく変わってきます。
どう使っていくか、自由だからこそ難しいですよね。
ここで、人生の時間を計算してみましょう!
人間が自由に活動できる平均期間が80歳までだとして、
たとえば、私が40歳だとすれば、
仕事をしている時間や睡眠時間を引くと、自由に使える時間はもっとずっと少なくなります。
…なんだかすごく少なく感じませんか?
5-2 看護師と一緒にウェルビーイングの取り組みを考えましょう!
私が20年以上やってきた看護師の仕事は、傷病者の療養上の世話をするだけではありません。
「人を看る」という独自の視点で、身体や精神、社会、文化などさまざまな側面からとらえ、情報を総合的にアセスメントし、必要な看護を的確に判断することです。
本ブログ「うぇるびナース」では、転職により時間に追われていた大学病院を離れ、「ウェルビーイング」を意識して生きることの大切さに目覚めた私が、同じような境遇で今まさに悩んでいる方へ、経験を活かした有益な情報を発信していきます!